大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオン「みんなトイレ」に関するアンケート

多様な利用を可能にする新時代のトイレ

2026.1.21

大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」では、従来のトイレの既成概念を変えるため、当事者や作り手の企業参画のもと、新しい試みを取り入れた「みんなトイレ」が設置されました。その検証のため、「みんなトイレ」の利用者アンケートを2025年8月、トイレ利用者400人を対象にインタビュー形式でTOTOにて実施いたしました。今回は、多項目にわたるアンケート調査の中から一部を抜粋してご紹介します。

当事者と作り手が「お困りごと」に寄り添って一緒に考えて実現した「みんなトイレ」

「みんなトイレ」は、既成概念を変えるチャレンジとして「誰もが使いやすい、ミライのトイレ」を目指し、車いす使用者やさまざまな障がいのある方、性的マイノリティ、子育て中の方など、従来のトイレに不便を感じていた「お困りごと当事者」が中心となり、学識経験者やTOTOなどの作り手企業も参加して「UD推進チーム」を結成。ニーズ・課題の共有、レイアウト検討から原寸大での動線確認まで、丁寧な意見交換を重ねて、実現されました。
トイレのエントランスには検討プロセスを説明するコンセプトボードを、さらに満空表示、ナビレンス(音声ガイドアプリ)など、多様な利用者に合わせた案内が設置されました。完成した空間は、これまでの意見交換の内容が実際の利便性にどう結びついたかを、客観的に確認できる場となりました。

・TOTO通信 春号 最新水まわり物語
 本現場のインタビュー記事が掲載されています。
 詳しくはこちら→ https://jp.toto.com/pages/knowledge/useful/tototsushin/2025_spring/mizumawari/

・事例サイト
 建築概要・図面・器具情報を掲載しています。
 詳しくはこちら→ https://info.jp.toto.com/com-et/jirei/2564/

多様な利用者ニーズを充足。「選択肢があること」がもたらす「みんなトイレ」の意義

みんなトイレは、さまざまな機能を分散した男女共用トイレを基本とし、男性用小便器や女性用の個室ブースも機能のひとつとして選択できるよう用意されました。利用者が感じた良い点(図1)として、「介護・介助の必要な人と一緒に使いやすい」が40%でトップとなり、「異性の家族やパートナーなどと一緒に入りやすい」が39%で続きました。
また、自分の使いたいトイレを自由に選択できる点も評価されました(36%)。お子様連れや介助者への配慮、多様な利用者のニーズを満たす高い可能性が示されています。
実際の利用割合は(図2)の示す通りです。男女共用トイレ(63%)、女性専用トイレ(22%)、男性専用トイレ(11%)
戸惑いや抵抗感の有無に対する質問(図3)では、「自然に使えた、まあまあ自然に使えた」と68%の方が肯定的に受け止めていることがわかりました。一方で、「やや戸惑いがあった」が27%、「戸惑いがあった」が2%という回答もありました。

安全対策の充実で広がるインクルーシブなトイレの可能性

普及への可能性に関する項目(図4)では、「増えるとよいと思う」(61%)と「改良・改善されればよいと思う」(17%)を合わせた78%が、誰もが分け隔てなく使えるインクルーシブな「みんなトイレ」のコンセプトに対しさらなる進化を期待する好意的な回答でした。その一方で、「あまり増えてほしいと思わない」(5%)や「増えてほしいと思わない」(3%)といった、普及に対して慎重な姿勢を示す意見もありました。
では、具体的にどのような工夫があれば安全安心に使えるかという問い(図5)に対し、最も多くの回答を集めたのは「通路の見通しがよい(死角がない)」(48%)でした。次いで「照明が明るい」(42%)、「各ブースに緊急呼び出しボタンがある」(40%)、「通路に監視カメラがある」(39%)が上位に並びました。
「みんなトイレ」のような入口がひとつで男女共用を主としたインクルーシブなトイレの普及には、利用者は防犯面での安全の確保を求めていることが読み取れます。
前項(図5)の改善ポイントが改善された場合、利用するかという問い(図6)には「利用する」と回答した方が81%となり、また「近くに他のトイレがなければ利用する」という声を合わせれば93%が利用すると回答しています。

「みんなトイレ」が提供した新しい価値と、その価値の普及に向けて

万博という未来社会の実験場において既成概念を覆す挑戦をした「みんなトイレ」は、今回のアンケート結果から、利用者が自分に合った使いやすいトイレを選択できるという点で、多くの利用者に受け入れられたと考えられます。また、今後このようなトイレを普及させるには、利用者の意識が変わることが重要であり、意識を変えるには男女共用トイレの防犯面での安全に対する懸念を払拭する必要があることも分かりました。これらの結果は、利用者が求める「誰もが分け隔てなく使える(インクルーシブな)トイレ」の実現と「防犯面での安全・安心の確保」の両立という、これからの公共トイレが取り組むべき価値創造の可能性と課題を示しています。

・本現場のインタビュー記事を掲載しています。UDコラムstory30
 詳しくはこちら→ https://info.jp.toto.com/ud/style/plus/story30.htm

・本現場の外観・内観が動画でご覧いただけます。
 詳しくはこちら→ https://info.jp.toto.com/com-et/ttc/tips/B002.htm

・TOTOテクニカルセンター開催のセミナーにて本調査の詳細をご紹介の予定です。開催日が決まり次第随時公開
 詳しくはこちら→ https://info.jp.toto.com/com-et/ttc

今後も、TOTOが実施した調査結果や、マーケティング情報を継続的に配信していきます。レポートに関するご意見・ご感想がございましたら、下記アンケートへご自由にご記入ください。また、より詳細な調査結果、配慮ポイント、現場事例等をご紹介するセミナーを各種ご用意しています。

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