パブリック向けウォシュレットの最上位モデル「ウォシュレット® アプリコットP」の「エコリモコン」が進化しました。（2025年8月発売）
ボタンを押す力で発電する「エコリモコン」は、電池交換が不要な点や、電源工事が不要な省施工性、誰にでも使いやすい操作性が評価され、市場に広く浸透しています。
今回のモデルチェンジでは、リモコン本体の厚みを従来の半分以下に薄型化し、トイレ空間により調和しやすいデザインに進化しました。ここでは、そのリニューアルポイントを詳しくご紹介します。

誰もが安心して使えるユニバーサルデザイン

「エコリモコン」は、座ったままラクな姿勢で操作できる壁付けリモコンです。リモコン表示は大きな文字で、英字・点字も併記し、業界標準ピクトグラムにも対応しているため、初めて使う方や外国人の方も迷わず操作でき、安心して利用いただけます。今回のリニューアルでさらに使いやすくなりました。
リニューアルのポイントとして、便器洗浄ボタンを大きな丸形にまとめ、突起を高くしてより見やすくしました。また、座った時間で大・小洗浄を判断するので節水にも配慮しています。ウォシュレットリモコンはよく使う「おしり」「ビデ」「音（または乾燥）」のボタンを上段に大きく配置し、水勢や位置調節などのボタンは下段に小さめにしたことでよく使うボタンと区別しやすくなり、使いやすさが大幅に向上しています。
また、より薄型（本体の厚さ25mm⇒11.5mm）となり、他の器具などが配置された空間でもすっきりと納まります。

　　　　　　　

ユニバーサルデザインの進化

エコリモコンは発売以来、大きなボタンでお子様や高齢者、上肢障がい者の方にも押しやすく、公共施設で広く採用されています。TOTOは「UDサイクル」と呼ばれる利用者参加型の開発プロセスを通じて、利用者（当事者）の方の声を反映しながら製品改良を進めています。
今回のリニューアルは、視覚障がい者の方から「便器洗浄ボタンをさらにわかりやすくしてほしい」という要望を受け、全盲・弱視の利用者の方と協力し当事者検証を実施しました。画像は検証の一部を模擬動作として撮影し、ご紹介しています。
視覚障がい者の方が、外出先のパブリックトイレで目的のボタンを見つけられず困るケースを踏まえ、ボタンの重要度に応じてサイズを分けるなど、操作性と判別しやすさを向上させています。こうした取り組みは、視覚障がい者の方が安心して利用できるトイレ環境整備の一助となっています。
TOTO　UDサイトでは、開発者と当事者の方のインタビュー記事や、視覚障がい者の方のトイレブース内の模擬動作の動画を公開しています。

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薄型化で進化した自己発電リモコン

TOTOが2014年に発売した「エコリモコン」は、ボタンを押す力で自ら発電し、通信に必要な電力をまかなう画期的なリモコンです。この技術により、電池交換や電源工事が不要となり、商業施設などの公共施設に設置されているトイレに最適です。内部には、消費電力の少ない電波通信技術とボタン操作による発電を組み合わせたTOTO独自のエナジーハーベスティング技術が搭載されています。エナジーハーベスティングとは、身の回りの微小なエネルギーを収穫（ハーベスティング）し電力に変換する先進技術であり、これにより持続可能な電力供給を実現しています。
さらに、ボタンから発電機までの連結構造によりエネルギーロスを最小限に抑え、1つの発電機で全てのボタンの動作検知とリモコン操作に必要な電力を発電します。操作速度に依存せず、ユーザーが無理なく操作できる快適な使用感を保ちながら安定した電力供給が可能です。また、発電機の内部機構は風力発電と同じ原理で、ボタンの押し込みによって発電機内部の磁石が回転し電力を生み出します。
2025年8月のリニューアルでは、押し込みストロークが短くなっても現行品と同等の操作力で十分な発電量を確保できる新機構を開発し、わずかな力も無駄にしない効率的な発電システムを実現しました。
この技術開発により発電機の小型化が可能となり、リモコン本体の厚みは従来品の半分以下に薄型化されました。外観はよりスッキリと洗練され、トイレ空間に調和しやすいデザインへと進化しています。加えて、誰にでも使いやすいユニバーサルデザインを追求したことが評価され、エコリモコンは国際的に権威のある「iFデザイン賞2025※1」と「レッドドット・デザイン賞※2（innovative design部門※3）」をダブル受賞しました。

※1：iFデザイン賞（iF　DESIGN AWARD）　公式WEBサイト：https://ifdesign.com/en/
※2：レッドドット・デザイン賞（red dot design award）　公式WEBサイト：https://www.red-dot.org/
※3： innovative design部門 技術や形状、素材や使用方法等の革新性について評価される部門