1989 年の設立以来、20 余年にわたって建築文化の育成に取り組んできたTOTO 出版が、書き下ろしの読みものシリーズ「TOTO建築叢書(そうしょ)」を創刊します。 
建築をつくり上げるためには、その時代ごとの社会環境・生活環境・歴史的環境・構造技術・環境技術など、人間が生きていく上で関係するあらゆるものごとを読み解き、複雑にからみあう要素を統合し調整する「建築的知性」が求められます。また、建築が建物(Building)としての機能だけでなく、建築(Architecture)という文化を獲得するためには、その価値を相対化し、普遍的な存在として他者の中に位置づけるための「言
葉=論説」が必要です。しかしながら、本離れが進む昨今、建築論が書かれる機会も少なくなってきています。 それぞれの建築に通底する多様な思想を文字として残す機会を絶やさず、記録者となることがTOTO 出版の役割であると、私たちは考えます。 本シリーズは、建築をめぐるさまざまな考え方を紹介するプラットフォームです。建築家をはじめ、構造家、建築史家、計画学者等々、建築をとりまく幅広いジャンルの方々の良質な「知見」を集め、論説、評論、概論、エッセイなど自由な形式で展開していきます。 20 世紀的な経済・社会システムの見直し・脱却が迫られている今だからこそ、「TOTO 建築叢書」で展開されるさまざまな考え方を通して見えてくる次の時代の展望や提案が、あらゆる人々の知性を刺激することを期待します。 「TOTO建築叢書」シリーズのブックデザインは、中島英樹氏。 洋書のようなシンプルなデザインフォーマットながら、カラーとその幅は、本ごとに多彩に変化します。 |